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司法書士は試験合格後、1年目で何をする?研修の内容や就職活動のコツを解説

司法書士試験に合格した方の中には、これからの1年目にどのようなステップが待ち受けているのか、不安に思う人も少なくないでしょう。合格後には新人研修就職活動/開業に向けた準備があります。

本記事では、司法書士試験合格後の1年目にどのような研修が行われるのか、そして就職活動で成功するための具体的なアドバイスについて解説します。不安を解消し、より自信を持って次のステップに進みたい方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

司法書士が1年目ですること

まずは、司法書士試験に合格した後、1年目は次のような流れで司法書士としての業務をスタートさせます。

  1. 司法書士試験合格
  2. 新人研修
  3. 司法書士会への登録
  4. 司法書士としての業務スタート

これと並行して、司法書士事務所などに就職して働く場合には就活を、合格後すぐに独立開業する場合には開業の準備をする必要があります。

このように、司法書士試験に合格したらすぐに業務が始められるわけではなく、いくつかの段階を経る必要があることを理解しておきましょう。

司法書士試験合格後に行われる研修とは?

司法書士法25条にも規定されているとおり、司法書士試験に合格した後、司法書士として働き始めるためには研修を受ける必要があります。

(司法書士法25条)

司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会が実施する研修を受け、その資質の向上を図るように務めなければならない。

出典:司法書士法|e-Gov法令検索

研修期間は約半年間であり、司法書士として働くうえで必要な実務の内容やマインドなどを学びます。中には、実際に司法書士事務所で実務経験を積む形式の研修もあり、実践的な知識・ノウハウを学ぶことも可能です。

司法書士になるための研修制度には、次の4つがあります。

それぞれの研修制度で学ぶ内容や研修の開催方法、時期などについて以下で見ていきましょう。

中央新人研修

中央新人研修は、日本司法書士連合会が全国の新人司法書士を対象に行う研修です。司法書士としての基本的な業務や役割についての理解を深めるために実施されます。具体的には、司法書士業務に関する実務知識に加え、司法書士制度の歴史や倫理についても学びます。受講形式は、パソコンやスマートフォンによるeラーニング形式です。中央新人研修の費用は44,000円(令和5年度)であり、申し込みは日司連研修総合ポータルのサイトから行います。

現時点では、令和6年度の中央新人研修の日程は発表されていないため、参考として令和5年度の日程を掲載しておきます。

視聴グループブロック期間申込期間
第1北海道・東北・中部・近畿・中国・四国・九州令和5年12月11日0時00分~12月28日23時59分令和5年11月6日0時~11月19日23時59分
第2関東令和6年1月5日0時00分~1月22日23時59分
参考:令和5年度司法書士新人研修|日司連研修総合ポータル

ブロック研修

ブロック研修は、全国を8つのブロックに分け、各ブロック内で実施される研修です。中央新人研修よりも実務に直結した内容について学べることが特徴的です。各ブロックごとに特化した研修を行い、実務に直結する具体的なスキルだけでなく、地域特有の事案への対応方法なども学びます。どのブロックで研修を受けるのかは自身で決められるため、就職や開業を考えている地域があれば、その地域が属するブロックでの受講がおすすめです。中央新人研修の費用は33,000円(令和5年度)であり、申し込みは日司連研修総合ポータルのサイトから行います。

中央新人研修と同じく、現時点では令和6年度の日程は発表されていないため、令和5年度の日程を参考にしてみてください。

ブロック定員期間受講形式申込期間
北海道30人令和6年1月15日~21日集合令和5年11月6日0時~11月19日23時59分
東北40人令和6年1月14日~22日※1月18日は休講集合
関東330人Web:令和5年12月18日~令和6年1月14日 集合:令和6年1月13日~1月14日集合及びWeb
中部65人令和6年1月8日~14日集合
近畿130人令和5年12月16日~17日、21日~24日令和6年1月5日~8日、12日~14日集合
中国40人令和6年1月10日~16日集合
四国20人令和6年1月6日~12日集合
九州70人令和6年1月13日~20日集合
参考:令和5年度司法書士新人研修|日司連研修総合ポータル

司法書士会新人研修

各都道府県の司法書士会が主催する新人研修です。実際に司法書士事務所に配属されて業務を行う形の配属研修がメインの内容ですが、配属研修以外にも集合形式の研修があるのかなどの細かい研修内容は各司法書士会により異なります。配属研修では、配属先の司法書士に質問したりアドバイスを受けたりできるため、実務に対する理解を体験を通して深めることが可能です。司法書士会新人研修は、将来登録を考えている司法書士会で受けるのが一般的です。なお、配属研修は必須ではなく、司法書士会によっては任意の受講とされている場合もあるため、各司法書士会での案内をよく確認しておいてください。

司法書士会新人研修の日程や費用も司法書士会ごとに異なります。ここでは、令和5年度における東京司法書士会の新人研修の日程などを掲載しておきますので、参考にしてみてください。

(参考:東京司法書士会主催「令和5年度新人研修会」開催のお知らせ|東京司法書士会

(認定司法書士のみ)特別研修

新人の方が受ける研修のほかに、認定司法書士になるための特別研修もあります。認定司法書士は、簡易裁判所において訴訟代理人になれる司法書士であり、そのための高度な知識とスキルを身につける必要があるのです。この研修では、特に訴訟に関する知識、法廷での手続き、代理人としての行動規範など、より専門的な内容が取り扱われます。特別研修を修了し、必要な試験に合格することで認定司法書士としての資格が付与され、代理権行使が可能となります。認定司法書士の資格も得たい場合は新人研修とあわせて受講することがおすすめです。

認定司法書士についての詳細は以下の記事で解説していますので、気になる方はぜひ参照してみてください。

司法書士会への登録方法

司法書士会への登録は、以下の流れで行われます。

必要書類・費用の提出

司法書士会への登録を行うためには、司法書士会に対して、必要書類と必要な費用を提出する必要があります。準備する書類の数が多いうえ、登録にかかる費用は数十万円に及ぶため、早くから準備をしておくことが望ましいでしょう。

以下に、必要書類・費用の一覧を掲載いたしましたので、準備の際の参考にされてください。

【必要書類一覧】

必要書類は司法書士会によって異なる場合があるため、申請時には必ず各司法書士会に確認するようにしてください。

また、必要な費用一覧も次に掲載いたします。

【必要な費用一覧】

入会金や年会費は司法書士会によって異なるため、どの程度の費用がかかるのかについては、必ず登録申請する司法書士会に確認するようにしてください

また、司法書士事務所や司法書士法人に就職する方は、登録に必要な費用を勤務先の事務所・法人がすべて負担してくれる場合もあるため、就職先を決める前に確認しておくとよいでしょう。

司法書士会・日本司法書士連合会による審査

必要書類等を提出したら、司法書士会及び日本司法書士連合会による審査が行われます。この審査では、提出書類に不備がないか、資格取得に問題がないか、適格性があるかが確認されます。通常、審査には数週間程度かかることが一般的です。審査の結果、問題がなければ登録手続きが進められますが、万が一不備や追加の確認事項があった場合は、司法書士会や日司連から連絡が入るため、指示に従い対応するようにしてください。

司法書士登録証の交付

審査を無事に通過すると、最終的に司法書士としての「登録証」が交付されます。これにより、正式に司法書士として業務を行う資格が付与され、各地域の司法書士会の一員として登録されます。登録証が交付される時期については、審査結果通知後、数日から数週間以内が一般的です。登録証が交付された後は、司法書士としての活動が法的に認められ、業務を開始できるようになります。

司法書士の就職活動

司法書士試験に合格した後、そのまま独立をされる方もいますが、実務経験がない場合は司法書士事務所や司法書士法人に就職し、勤務司法書士として働くことが一般的です。ここでは、就職活動を始めるタイミングや就職活動を成功させるためのポイントについて解説します。

就職活動を始める3つのタイミング

司法書士が就職活動を始めるのにおすすめのタイミングとして、次の3つが挙げられます。

これら3つのタイミングがなぜおすすめなのかを以下で見ていきましょう。

筆記試験の合格発表後

筆記試験の合格発表後に就職活動を開始するのは、早めに動くことで就職先の選択肢を広げるチャンスがあります。このタイミングでの活動は、早期に採用枠を確保したいと考えている事務所や企業に対してアピールができます。面接時には、筆記試験に合格したことをアピールし、最終試験も順調に進むことを見込んで準備することが重要です。特に、競争が激しい地域や大手事務所を目指す場合、早い段階でアプローチするようにしましょう。

最終合格発表後

最終合格発表後に本格的に就職活動を始めるのは、合格者として確定した後に安心して活動できるタイミングです。司法書士事務所や企業は、最終合格者に対して確実な採用を行いたいと考えるため、このタイミングでの就職活動は企業側にとってもリスクが少なく、応募者にとっても採用されやすい時期です。筆記試験合格の時点で動いた人よりは遅れを取ってしまいますが、まだ求人募集をしている事務所や企業は多くあるため、確実性を重視する場合にはこのタイミングが適しています。

新人研修受講後

新人研修を受講した後の就職活動は、即戦力として実務にすぐに対応できることをアピールできるタイミングです。研修を通じて得た実務知識やスキルを持つことで、雇用側からも安心感を持って採用される可能性が高まります。特に、中小規模の事務所や実務経験を重視する事務所にとっては、新人研修を終えたばかりの司法書士を重視することもあるでしょう。また、このタイミングで就職活動を開始することで、より実践的な業務に直結した職場を見つけやすくなります。

司法書士が就活を成功させるために意識すべきポイント

司法書士が就活を成功させるためには、次の3つのポイントを意識すると良いでしょう。

求人数が多い10~11月にスタートさせる

司法書士の求人数は、筆記試験の合格発表と最終合格発表の時期である10~11月に多くなる傾向にあります。この時期に就活をすれば、早い段階で就職先を決められる可能性があるため、10~11月に就活をスタートさせるのがおすすめです。

しかし、筆記試験の合格発表が出てから「どのような雰囲気の事務所に行きたいか」「どのようなキャリアステップをしたいか」などを考え始めていると、早く就活を始めた人に次々と就職先が取られてしまい、結果として少ない選択肢から選ばなければならない可能性が出てきます。

そのため、10~11月には応募する企業のイメージを決めておき、筆記試験の合格発表、もしくは最終合格発表が出たら、早めに応募できるように準備しておくことが大切です。魅力的な就職先を見つけるためにも、早くから準備を始めるように意識してみてください。

合同説明会・合格祝賀会に参加する

毎年10月や11月頃に行われる合同説明会や合格祝賀会に参加することも1つのポイントです。

合同説明会は、多くの司法書士事務所や関連企業が一堂に集まり、採用情報や事務所の特徴を紹介します。職場の雰囲気や具体的な業務内容、求められるスキルなどを直接知ることができ、就職活動の方向性を具体的に定めやすくなります

また、合同説明会・合格祝賀会ともに、人とのつながりが重要視される司法書士にとって、同じく司法書士を目指してきた仲間や、現役の司法書士、事務所の採用担当者と直接交流できる貴重な機会です。そこで知り合った人々とのネットワークを活用し、就職や業務に役立つ情報を得られることがあるでしょう。

面接には質問事項を決めてから臨む

司法書士の就活では、質問事項を決めてから面接に臨むことも、重要なポイントの1つです。面接では、質問の有無を尋ねられることがありますが、そこで、質問を複数できると、事務所や企業に対するご自身の意欲や関心の度合いを面接官に伝えることができます。また、職場環境や仕事内容について確認をすることで、就職が決まった後もお互いミスマッチを起こすことなく良好な関係を築きやすくなります。

しかし、面接中に質問事項を考えることは簡単ではありません。そこでおすすめなのが、面接に臨む前に、事前に質問事項を決めておくことです。具体的には、以下のような質問事項が考えられます。

  1. 事務所・会社の雰囲気、所属スタッフの年齢層、所属する司法書士の人数
  2. 就職後のスケジュール、教育体制
  3. 業務範囲と割合(不動産・相続・商業・訴訟・その他)

面接は応募先の事務所・企業の担当者と直接話せる貴重な機会であるため、万全な準備をしてから面接に臨むようにしてみてください。

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