発行可能株式総数とは、会社が発行できる株式の上限(株式の発行枠)です。
会社成立の時までに、発行可能株式総数を定款に定めなければなりません。定款で定めていない場合は、発起人全員の同意により定款を変更し、発行可能株式総数の定めを設ける必要があります。
会社設立後は株式総会の特別決議で定款を変更し、発行可能株式総数を変更することができます。1株当たりの金額について規定はないため自由に定めることができますが、一般的に1株10,000円とする会社が多いようです。
注意事項
設立時または定款変更して発行可能株式総数を定める際の注意事項は次のとおりです。
発行枠を小さくしすぎない
例えば、資本金100万円(1株10,000円×100株)で会社を設立した際、 発行可能株式総数を150株などとすると、会社の成長に伴い増資を行う際に株式の発行枠(発行可能株式総数)が不足することになります。
定款変更決議で発行可能株式総数の変更することができますが、変更登記が必要になり、 登録免許税3万円が必要です。少なくとも実際に発行する株式の4倍、非公開会社の場合は10倍など少し多めの枠を取る会社が多いようです。
発行可能株式総数の制限
公開会社の場合、発行済み株式総数の4倍を超える数を、発行可能株式総数として定めることができません。
公開会社と非公開会社の違い
公開会社とは
発行する全部又は一部の株式の内容として、譲渡による株式の取得について株式会社の承認を要する定めが設けられていない株式会社を指します。上場会社は公開会社となります。
非公開会社とは
全ての株式について譲渡制限が設けられている株式会社を指します。多くの中小企業はこちらに該当することが多いです。