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株式交換

株式関連

株式交換とは、主にグループ企業を形成する際や、グループ企業の再編などに用いられる手法です。

親会社となる企業が自社の株式を対価として、相手企業の株式と交換する手法です。親会社となる企業は子会社となる企業の株式をすべて取得することで、相手企業を完全子会社とします

株式交換の対価として、完全親会社の株式を完全子会社の株主に交付することが一般的ですが、三角株式交換(完全親会社の親会社株式を交換)や、現金等を交付することも認められています。

株式交換の目的

株式交換を行う目的として、主に3つあります。

  • M&Aの一手段として利用
  • 不利益をもたらす株主の排除
  • ホールディングス化

上記目的により生じるメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
デメリット
  • 買い手企業は買収の対価として新株を発行するだけでよく、買収資金が不要
  • 買収対象企業の株主の3分の2以上の賛成により、少数株主を強制的に排除して100%子会社化することができる
  • 買収後も買収対象企業は別法人として存続するため、早急な経営統合を行わなくてもよい
  • 買い手企業が上場企業の場合、1株当たりの利益が減少するため、株価下落のリスクがある
  • 買収対象企業の株主が買い手企業の株主となるため、買い手企業の株主構成が変化してしまう
  • 手続きが複雑

株式交換は株式合併の手続きとほぼ同様の手続きこととなります。

株式交換の手続き

  1. 株式交換契約の締結
  2. 事前開示書類の備置
  3. 株主総会における株式交換契約の承認
  4. 反対株主の買取請求
  5. 株券提出手続
  6. 効力発生および登記
  7. 事後開示書類の備置

原則として株式交換では当事会社の株主総会において特別決議が必要となりますが、こちらも株式合併と同様に簡易な組織再編手続が認められています。

簡易株式交換

  • 完全親会社は、交付する財産の金額が純資産額の5分の1以下の場合に簡易株式交換に該当し、株主総会決議を省略できる
  • ただし、反対株主が完全親会社の総株式数の6分の1を超えた場合や、完全親会社が譲渡制限会社であり譲渡制限株式を割り当てる場合には省略できない

※完全子会社には簡易株式交換の制度はありません。

略式株式交換

  • 親子会社間の株式交換において、親会社が子会社の90%以上の議決権を保有している場合、その子会社が完全親会社になるか完全子会社になるかにかかわらず、子会社側の株主総会決議を省略できる
  • ただし、子会社が完全子会社になる場合にその子会社が公開会社であり株主に譲渡制限株式が交付される場合や、子会社が完全親会社となる場合でその子会社が全株式譲渡制限会社であって株式の交付を行う場合には、略式株式交換に該当しないため省略できない

※略式株式交換における特別支配会社には買取請求権は認められません。

株式移転との違い

株式移転とは、子会社となる会社の株主が保有するすべての発行済株式を新設する会社に取得させ、自社を完全子会社化することを指します。

株式移転との違い

  • 株式移転:会社を新設(持株会社設立が主な目的)
  • 株式交換:既存の企業間で行う(相手企業の完全子会社化が目的)

なお、株式移転には略式組織再編の制度はありません。

吸収合併との違い

吸収合併とは、2つ以上の法人が統合されて1つの法人になる手法のことを指します。

吸収合併との違い

  • 吸収合併:2つ以上の法人が統合により1つの法人となる
  • 株式交換:相手企業を完全子会社化する(法人格の消滅無し)

吸収合併された側の法人格は消滅してしまいますが、株式交換の場合は完全子会社となった後も、法人格は存続し続けます

関連用語

  1. インボイス制度についての見直し

  2. ストックオプション税制の拡充

  3. 定額減税の実施

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