先月は中小企業向け賃上げ促進税制を取り上げましたが、今回は大企業を含む全法人向け（※1）の賃上げ促進税制です。より高い賃上げ率の要件が創設され税額控除率も見直されたうえで期限が３年間延長されます。また、見直し後の要件を一部緩和した中堅企業（※2）向けの枠が新たに創設されます。
全法人向け、中堅企業向けとも、両立支援、女性活躍支援に積極的な企業への上乗せが新たに措置されます。
税制の概要
本税制は、従業員の給与等を一定の要件で増加させた場合、法人税から一定額を税額控除できる制度です。役員の特殊関係者や使用人兼務役員に対する給与や賞与は除かれます。
（※1) 資本金の額等が10億円以上かつ従業員数が1,000人以上、又は、従業員数2,000名超のいすれかに該当する企業はマルチステークホルダー方針の公表及びその旨の届出をする場合に限り適用可能
(※2) 従業員数2,000人以下の企業（支配関係がある法人の従業員数の合計が１万人を超えるものを除く）が適用可能
(※3） 継続雇用者（国内事業所で雇用した雇用保険法の一般被保険者で、前期及び当期の全期間に支給を受けた雇用者）に対する給与等支給額
(※4) 適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される全ての国内雇用者に対する給与等支給額（一定の給付を受ける金額等を除く）を言います
(※5) 「くるみん認定」（子育てサポート企業の認定）、「えるぼし認定」（女性の活躍推進企業の認定）については厚生労働省ホームページ等を参照
【適用時期】令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用されます。
令和5年12月14日公表の令和6年度税制改正大綱に基づいて作成しています。改正は国会の審議を経て可決・決定されるものであり、本資料の内容については正確性を期しておりますが、改正内容等の確実性・正確性を保証するものではありません。予定される税制改正を踏まえ意思決定等を行うときは、事前に弊社担当者までご相談ください。
こちらからもご覧いただけます→ASAHI NEWS 令和6年3月11日 第168号
提供元：朝日税理士法人
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