発起人とは、会社設立の企画者として設立に関する事項を決定し、手続きを進めていく人です。わかりやすく言い換えれば、「会社をつくろう」と考え、出資をする人のことを指します。
発起人の要件
- 人数:1人以上
- 発起人の資格:制限なし(15歳以上に限る)
特にこれといった制限はなく、法人や未成年者も発起人となることができます。
なお、未成年者が発起人となる場合は、親権者の同意または親権者が発起人の代理人になる必要があります。
また、未成年者の場合は15歳以上という年齢制限があります。発起人としての制限はありませんが、印鑑登録の際に15歳以上であることが要件となるためです。
発起人の役割
発起人には、大きく3つの役割があります。
出資
法人設立時、発起人による出資金の必要性は、設立する会社によって異なります。
- 株式会社:出資をしない人でも役員に就任可能
- 合同会社:出資をしないと役員に就任不可
定款の内容作成
事業内容、役員の選任・解任規定、役員任期、株主総会決議要件、決算期、設立当初の役員選任など、会社の根幹規則を作成します。
定款の認証及び設立登記手続
公証役場での定款認証を経て、設立登記申請行います。なお、合同会社設立の場合は、定款の認証手続きは不要です。
発起人の責任
発起人は次のような責任を負います。
現物出資財産等の不足額填補責任
会社成立の時における現物出資(金銭以外で出資をした場合)財産等の価額が、 定款に記載された価額に著しく不足する場合、発起人は会社に対し連帯して当該不足額を支払う義務を負います。
会社に対する損害賠償責任
発起人は、会社の設立についてその任務を怠ったときは、会社に対し、 これによって生じた損害を賠償する責任を負います。
第三者に対する損害賠償責任
発起人が、その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、 これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負います。
会社不成立の場合の責任
会社が成立しなかったときは、発起人は会社の設立に関してした行為について責任を負い、 会社の設立に関して支出した費用を負担します。