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株式の譲渡制限






1.株式譲渡の自由と譲渡制限

株式は自由に譲渡できるのが原則です。(会社法127条

株主は、一定の場合を除き、会社から出資金の払い戻しを受けられないため、 出資した資本回収の手段として、株式譲渡を自由にする必要性があるためです。

しかしながら例外として、会社の定款に株式の自由譲渡を制限することを定めることができます。

具体的には、「譲渡による株式の取得については、株主総会(取締役会、代表取締役)の承認を要する」 というような規定を設けます。

株式が自由に譲渡できると、誰でも株主になりうるため、信頼できる人だけを株主にしたい場合は、 この譲渡制限を定めることが多いです。

実際、家族経営の会社や中小企業は譲渡制限を定めている会社がほとんどです。



このように、株式の譲渡につき、制限が設けられている株式のことを譲渡制限株式といいます。




2.公開会社と非公開会社



株式の全部または一部に譲渡制限の定款の定めがない会社公開会社といいます。

それに対して、発行する株式の全部に譲渡制限の定款の定めがある会社非公開会社といいます。

公開会社だからといって必ず上場しているわけではありませんが、株式が自由に譲渡され、 不特定多数が株主になりうることから、大企業向きの会社形態といえ、会社の機関設計にも一定の制限が課されます。



@公開会社は取締役会の設置が必要

取締役会を置く会社は取締役を3名以上置く必要があるため、 取締役2名以下の会社は公開会社になれません



A公開会社は監査役の設置が必要

非公開会社の監査役は、会計監査のみ行い、業務監査は行わないこととすることも可能ですが、
公開会社の監査役は、業務監査と会計監査と会計監査の両方を担わなければなりません



B公開会社の取締役の任期は最長2年、監査役は最長4年

非公開会社は取締役、監査役共に最長10年であるため、 公開会社の方が短期間で役員の更新をしなければならず、その登記も2年おきに必要になります。

この他にも公開会社と非公開会社の違いはありますが、基本的には公開会社の方が規制が厳しくなっています。

公開会社と非公開会社の違いをまとめると下記のようになります。