ホーム>相続手続き>相続税を知らない司法書士の話 ~相続で知っておきたい相続税計算の特例~
目次

 

1.どこまで知っておくべき?相続税に関する知識

相続相談を士業専門家にする場合に気をつけなければいけないのが、相続という分野を取り扱っているにもかかわらず、残念ながら相続税を全く勉強してこなかった人が、一定の割合で存在することです。

司法書士は税理士ではないため相続税の専門家ではありませんが、相続という分野を取り扱う立場として必要最低限の知識を持ち合わせておくべきでしょう。

実際に現場では、初回相談にいらしたお客様から必ずと言って差し支えないほど質問に挙がる必須の知識になりますので、ある程度のことは知っておかなければ実のある相談にはなりません。

今回はそんな、相続税にまつわる『あること』を知らない司法書士に提案されたお客様があわや大惨事に見舞われそうになった、実際に会ったお話をご紹介しましょう。

 

2.相続税を知らない司法書士

お父様が亡くなり弊社にご相談にきた長男様のお話です。

一度、他の司法書士事務所に相談後、その司法書士事務所に税理士の知り合いがおらず、弊社にご来所頂きました。

「遺産分割協議の内容は先日相談した司法書士の提案通りまとまっているので、先生には登記手続きをお願いしたいです。あと、相続税申告が必要なので税理士先生のご紹介をお願いします。」とのご依頼です。

亡くなったお父様のご自宅は、お母様ではなく、長男様に相続させることで話がまとまっていたそうです。

相続が発生したとき、長男様は別の場所で暮らしていましたが、お父様の相続を機に、実家に帰ってくることになったそうです。

その司法書士曰く、「この度の相続で、自宅は長男様の名義にしておきましょう。将来、お母様が亡くなっても、名義変更をせずに済みますよ。」とアドバイスしたそうです。

 

一見良心的なアドバイスですが、こと相続税の観点からすると、全く良くありません。

なぜなら前述の遺産分割方法にしてしまうと、『小規模宅地等の特例』が全く使えず、相続税の負担が劇的に増えてしまうからです。

 

3.相続税評価額を圧縮できる小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、『被相続人(故人)が自宅として使っていた土地配偶者同居している親族が相続した場合、最大8割引きの評価で相続税を計算することができる』という内容の税制上の特例です

→小規模宅地等の特例

今回のケースでは、お母様(配偶者)が自宅を相続すれば小規模宅地等の特例が使え、その後、お母様が亡くなったときに長男様(その時点では既に同居親族)が相続すれば、再び小規模宅地等の特例が使えます

提携税理士に相談したところ、将来的に長男様は8割引きの評価額で自宅を相続することが可能でした。

しかし、もし先に相談していた司法書士の提案通りにお父様から長男様に直接相続させてしまうと、お父様が亡くなった時点ではお父様と別居していたため、小規模宅地等の特例は使えません。

その結果、相続税の負担が1,000万円近く増えてしまうことが判明したのです。

今回は不幸中の幸いなことに遺産分割協議書に署名する前でしたため、自宅をお母様が相続することに方針転換し、お母様が小規模宅地等の特例を利用して自宅を相続することが出来ました。

 

4.まとめ

  • 同じ『相続手続』でも、手続のやり方・承継先によって結果が大きく異なってくる
  • 相続税が絡んでくる(もしくはその疑いがある)場合、相談する専門家の力量により提案内容が違うため注意が必要

 

相続税が発生する家庭においては、お気持ちだけで分け方を決めてしまうとその後の負担が非常に大きなものになってしまいます。

一都三県でご自宅をお持ちの方は、かなりの頻度で相続税申告が必要な場合があります。

当法人は、相続税等周辺知識にも明るい専門の司法書士・行政書士が提携税理士とチームを組みサポートさせて頂きます。

相続手続・生前対策をお考えの方は、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談下さい。

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