鴨宮パートナーズでは相続専門の司法書士が、相続発生後から遺産分割協議成立後の相続手続きまで一連の手続きをサポートいたします
遺産分割協議とは
遺産分割協議とは、被相続人(故人)の法定相続人全員で、「誰が、どのように、何を相続するのか?」を話し合いによって決定することです。
遺産分割協議によって決定した内容に、各相続人全員の署名と実印で捺印した書面を『遺産分割協議書』と呼び、この協議書を使ってその後の相続手続きを進めていきます。
遺産分割協議は必ずする必要がありますか?
次のような場合には必ず遺産分割協議が必要となります。
遺言書が存在しない
遺言書はあるが、相続分の指定のみで、財産の指定がない
遺言書から漏れている財産があり、その扱いについての記載もない
相続人全員が遺言書の内容と異なる分割方法を希望している
※法定相続分どおりに相続する場合でも、実務では遺産分割協議書の提出を求められるケースがほとんどのため、遺産分割協議書を作成しておく必要があります。
次のような場合は、遺産分割協議をする必要はありません。
遺言をのこしている
被相続人(故人)が遺言書をのこしている場合、財産をのこした本人の意思を優先するため、遺言書の内容をもとに相続手続きを進めていきます。
ただし、遺言書の記載に必ずしも従わなければならないという訳ではなく、相続人全員(遺言で指定された相続人も含めて)が遺言の内容と異なる分割方法を希望しているときは、新たに遺産分割協議をして遺産分割方法を決定することも可能です。
相続人がひとりしかいない
法定相続人に該当するのがひとりだけの場合、遺産分割をする他の相続人がいないため、遺産分割協議をする必要もありません。
例:母子家庭(子ひとり・父はすでに他界)の母に相続が発生した場合 など
遺産分割協議成立までの流れ
一般的に、次のステップで遺産分割協議を進めていきます。
STEP
01
STEP
02
相続人の調査
故人の出生~死亡までの戸籍謄本等を各役所に請求し、法定相続人を確定していきます。
STEP
03
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遺産分割協議の開始
誰が何をどのように相続するかを相続人全員で話し合います。どうしても遺産分割がまとまらない場合は、家庭裁判所での話し合い(調停)による方法で進めていきます。
STEP
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遺産分割の方法
相続財産は、現金や預貯金のように額面に従って分割できるものばかりでなく、実家の土地・建物など不動産が含まれているケースが大半です。
不動産などの遺産分割には次の4つの方法があり、相続人全員の合意で、いずれかの分割方法が選択されます。
現物分割
不動産・預貯金等のすべての遺産を現物のまま分割する、または相続分に従って分割する方法です。
メリット
・対象の遺産を誰かがそのまま引き継ぐので、手続きが比較的簡単に済みます。
・自宅などの遺産を、そのままの形で相続することができます。
デメリット
・不動産や車など動産が遺産の大半の場合、それぞれの評価額が異なるため不公平を感じてしまう可能性があります。
代償分割
相続人の代表者が相続財産をいったん取得し、相続分に従って他の相続人に代償金を支払う方法です。
【例】相続財産が5,000万円相当の不動産と預貯金1,000万円を兄弟で半々にする場合
⇒兄が不動産を取得、弟が1,000万円を取得
⇒兄から弟へ、2,000万円の代償金を支払う
メリット
・自宅などの遺産を、そのままの形で相続することができます。
デメリット
・代償金は遺産を相続する相続人が支払わなければならないため、取得する側の相続人に代償金を支払う資金がないと代償分割することはできません。
・代償金を支払う期限になっても支払いが遅れている、などの理由で争いに発展する可能性があります。
・不動産を売却して利益を得た場合、取得した相続人に不動産譲渡所得税が課されます。
換価分割
不動産・株式等のすべてまたは一部を売却して、金銭にかえて分割する方法です。
メリット
・遺産を売却し金銭にかえるため、1円単位で平等な分割をすることができます。
デメリット
・売却して金銭に換えるため、被相続人(故人)の遺産をそのままの形でのこしておくことはできません。
・とくに不動産の場合、売却手続きに時間と費用がかかります。
・不動産を売却して利益を得た場合、遺産(売却益)の取得割合によって、相続人全員に不動産譲渡所得税が課されます。
共有分割
主に遺産が不動産の場合に、各相続人の相続分に従って共有の状態で権利を分割する方法です。
メリットもありますが、デメリットの方が大きく、基本的には避けたい分割方法です。
メリット
・財産をそのままの形でのこすことができます。
・持分に応じて所有権とそこから発生する利益(収益物件の場合の家賃など)をそれぞれが取得できるため公平感があります。
デメリット
・他の相続人との兼ね合いで、持ち分を個人で自由に変更したり処分したりできなくなります。
・共有者に相続が発生すると、更に権利関係が複雑になる可能性があります。
遺産分割協議がまとまらない場合は?
遺産分割協議がうまくまとまらない場合、家庭裁判所での話し合い(調停)をすることになります。一般的に遺産分割がうまくいかない原因として、次のようなものが挙げられます。
連絡を取れない相続人がいる
相続人同士が不仲で揉めてしまう
遺産を隠される、遺産の使い込みの形跡がある
特別受益や寄与分を主張される
前婚の子と死亡時の家族が遺産分割協議を行う
分割方法で意見が合わない
※特別受益
生前に被相続人(故人)から相続人がもらったお金や物について、遺産の前渡しを受けたと考え、遺産に戻したうえで各相続人の具体的な相続分を決定しようとする制度
※寄与分(特別寄与)
被相続人(故人)の財産の維持や増加に貢献した場合に、他の相続人よりも多く相続財産を分けてもらうことができる制度
令和5年4月1日より、遺産分割における特別受益の贈与ならびに寄与分の時的制限が設けられます。
法改正内容
- 相続発生時より10年経過後の特別受益の贈与ならびに寄与分の主張が制限されます
- 相続発生時より10年経過後の遺産分割については、原則、法定相続分(または指定相続分)による遺産分割が優先されます
- 令和5年4月1日より前に発生した相続についても遡及(さかのぼって適用)されます
- 当面の間、5年の猶予期間が設定されます
- 相続発生時より10年経過後でも、相続人間の遺産分割協議がまとまった場合、協議内容に沿った遺産分割が可能です
遺産分割調停とは?
家事審判官(裁判官)と調停委員(調整役)による調停委員会が中立公正な立場で、当事者双方の主張を聞き具体的な解決策を提案するなどして、円満に解決できるよう斡旋していく手続きです。
当事者のひとりでも調停の結果に不服があった場合、調停は不成立となり、遺産分割審判へと移行します。
調停は言わば話し合いですが、審判は裁判官による強制力がある為、当事者は審判結果に必ず従うことととなります。
鴨宮パートナーズのサービス内容
鴨宮パートナーズでは、次のサービスをご提供いたします。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議の内容に合わせた遺産分割協議書の作成、各相続人への手配等の事務手続きをサポートいたします。
相続不動産の売却サポート
遺産分割内容で不動産の売却が決定している場合、売却の際の不動産仲介会社のご紹介や提携税理士による税務コンサルティングなど、売却完了までに必要なさまざまなお手続きの窓口となりサポートいたします。
調停申立てサポート
遺産分割調停が必要となった際の、調停申立ての書類作成や必要書類の収集等をサポートいたします。
お客様に最適なご提案をさせて頂きます。
気軽にご相談ください。
遺産分割協議書のよくある質問
相続人と疎遠で連絡先がわからない場合、どうしたらよいですか?
相続人調査の段階で、相続人の戸籍の附票から現住所を確認することができます。(保存期限5年)
相続人である息子が未成年の場合でも、遺産分割協議に参加できますか?
相続人である子が未成年の場合、相続人である親が代理人となることはできません。『利益相反行為』といって、親自身の相続人としての立場と相続人である子の代理人としての立場で利益が相反してしまうからです。
この場合、未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所へ特別代理人を立ててもらうか、相続人以外の立場の人(祖父母など)が特別代理人として遺産分割協議に参加します。相続放棄した母は、遺産分割協議に参加できますか?
相続人の誰かが相続放棄をした場合、「はじめから相続人ではなかった」とされ相続人ではなくなります。そのため、遺産分割協議には参加できません。
遺産分割協議を進めている中、相続人のひとりが亡くなりました。この場合、その相続人の取り分は無くなりますか?
遺産分割協議中に相続人の誰かが亡くなった場合、その相続の地位は、亡くなった相続人の相続人にあたる方が引き継ぎます。(数次相続といいます。)
相続人に認知症の人がいる場合、遺産分割はどのようにすればよいですか?
相続人が認知症となってしまった場合、そのままでは遺産分割協議を続けることができません。遺産分割協議には相続人全員の合意が必要とされており、認知症となった方は、意思能力が不十分で遺産分割協議への参加が困難となるからです。
この場合、家庭裁判所へ後見開始、および後見人選任の申立てを行い、成年後見人を決め、選任された成年後見人が代理人として遺産分割協議に参加します。
後見人が決まるまで、数か月から1年近く時間がかかります。遺産分割協議書を自分で作成することはできますか?
遺産分割協議書の書き方に法律で義務付けられた書式はありませんので、相続人がご自身で作成することも可能です。ただし、実際に相続手続きに使用したり、相続税申告に使用するうえで、記載方法が不十分だとその遺産分割協議書を使えない可能性があります。
また、他の相続人から、「有利な協議内容に勝手に書き換えてしまうのでは」、といらぬ詮索をされてしまうことも考えられます。
遺産分割協議書の作成は、その後の手続きにも精通している専門家に任せるのが安全です。是非一度、鴨宮パートナーズにご相談ください。遺産分割協議に期限はありますか?
遺産分割協議そのものに期限はありません。ですが、相続全般の手続きに関しては期限がありますので、早いうちに協議をまとめてしまう方がよいでしょう。
相続放棄‥相続が発生したことを知った日から3か月以内
相続税申告…相続が発生したことを知った日の翌日から10か月以内遺産分割協議のやり直しはできますか?
本当は全員の合意が得られていなかったなど、遺産分割協議の前提が崩れるようなケースでは、遺産分割協議の無効を主張できる可能性があります。また、相続人全員の合意があれば遺産分割協議をやり直すことは可能ですが、有効に成立した協議に基づいた遺産分割を解除して再び分割すると、贈与税や譲渡所得税といった相続税以外の税金を課される可能性があります。
遺産分割協議が成立した後に、新たな財産が見つかった場合はどうなりますか?
協議が成立した後に新たな財産が見つかった際には、先におこなった遺産分割協議でその扱いが指定されていない場合に限り、新たな財産についての遺産分割協議をすることが可能です。
遺産分割協議が終わった後で、遺言書が見つかりました。この場合、遺言は無効でしょうか?
遺産分割協議が成立した後で遺言書が見つかった場合、遺言書で指定された内容と異なる遺産分割協議は無効となります。後先に関わらず、遺言書がある場合は、被相続人の意思として遺言書の内容が優先されます。
ただし遺言が発見されても、相続人全員の合意により遺言と異なる内容での遺産分割協議が再度成立すれば、その遺産分割協議は有効となります。
なお、相続人のうちひとりでも遺言書の内容に従うべきと主張する方がいた場合は、遺言の内容に従うこととなります。こういったケースでは財産状況、遺言書の内容、協議内容により判断が難しいため、鴨宮パートナーズまでご相談いただくことをオススメいたします。
お客様に最適なご提案をさせて頂きます。
気軽にご相談ください。